中京テレビの公式バーチャルYouTuberの大蔦エル氏がアンバサダーを務める「ナゴヤVTuber展」が、1438万円を超える大型調達を成立させる見込みである。正式な調達額が決定するのは9日後だが、本来の目標額が750万円であるため、クラウドファンディング自体はすでに成功していることになる。
このイベントでは、大蔦エル氏のほか、28名のVTuberがアンバサダーとしてクラウドファンディングへの支援を呼びかけていた。
VTuberといえば、「にじさんじ」や「ホロライブ」といった大手プロダクションの隆盛が著しい一方で、人口が1万5000人以上にも膨れ上がったVTuber界の競争激化によって、各々の人気度には大きな格差が生まれ始めているという厳しい現実もある。そんな中、大蔦エル氏は、「個人で頑張っているVTuberも、企業の後ろ盾があるVTuberも一緒に盛り上げていきたい」と息巻く。
今回は、「ナゴヤVTuber展」を主催する中京テレビのアナウンス部に所属し、名古屋観光文化交流特命大使のVTuber、大蔦エル氏に話を伺った。
まず、今回のクラウドファンディングに予想以上の支援が集まった要因として、大蔦エル氏は「熱量の高いファンを巻き込めたこと」が秘訣と分析する。
大蔦エル氏 私をはじめ29人のアンバサダーには、それぞれのファンがいます。そのファンがさらにフォロワーへ拡散してくれることで、イベントが多くの方の目に触れることになったのだと思います。
支援は1000円から可能なこともあり、クラウドファンディングには延べ650人以上もの支援が集まっている。支援したファンは「顧客」というよりも、むしろ「当事者」に近く、イベント成功のために口コミで拡散するといった方向でも支援する動きがみられた。
中には予想以上の支援を集めたプランもあるようだ。
大蔦エル氏 一定の金額を支援していただくと、パルコの館内に推しのVTuber等身大パネルを展示できるプランがあり、想定以上のご支援をいただいています。推しのVTuberをリアルの場で展示させてあげるという熱量の高い支援も多くいただきました。
近年では、米国などを中心に、「応援広告」ないし「推し広告」という広告手法の人気が高まっている。通常はアイドルが広告主となってCMやプロモーションするところ、ファンがアイドルの広告主となって屋外広告に出稿するもので、国内では渋谷駅などを中心に活用事例が出始めている。
「ファンによる推しのパネル展示」という支援も、そういった意味では応援広告に近いのかもしれない。
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