元女性サッカー選手がエンディングビジネスで起業 墓選びで最適なプランを提案市場は拡大(2/3 ページ)

» 2021年04月20日 14時42分 公開
[中西享ITmedia]

エンディングビジネスの市場は拡大する

――その人に合った最適な墓選びを提案するコンサルビジネスは儲(もう)かりそうですか。

 私が提案したのは、こうしたポータルサイトとは異なり、「日本初の訪問特化型」を打ち出して、必ず顧客と会って契約するのが特徴です。多くの保険商品の中から、その人に合った保険を提案する「ほけんの窓口」のようなものだと思ってもらえばよいです。私も実際の営業の際には、「『ほけんの窓口』のお墓バージョンです」と説明することもありました。

 お墓を取り扱う石材店で営業していた経験があったので、顧客の立場に立った提案ができると自信がありました。提案を受け入れてもらえると契約が成立し、顧客からと、お墓を提供する側から手数料をいただけます。両方から手数料がもらえるのは不動産業と似ていますが、片方に比重がかからないよう中立性を保つために、両者から手数料をいただくようにしています。

――今後は多死社会を迎え、亡くなる高齢者は増えるので、需要はあると思いますが、どうやって顧客を獲得するのですか。

 厚生労働省の人口動態統計によると、2015年の1年間で約137万人が亡くなっています。20年には140万人を超え、40年には戦後最多の160万人になると予想されています。このため、葬儀やお墓などエンディングに関するマーケットはこれからも拡大するので、需要は確実にあります。

 この数年の間に、お墓選びができるポータルサイトは多く誕生しましたが、最大顧客となる高齢者の多くはネットの取り扱いが苦手です。ネットだけの契約によるトラブルも増えています。国民生活相談センターへ持ち込まれるケースで、葬儀やお墓に関するものが急増しているそうです。

 ネットに不案内な高齢者につけこんで、だます詐欺まがいの手口が横行している現実があり、それを防ぐ意味でも、訪問して契約する方が高齢者にとっては親切だと思います。最近はお墓選びが少子化や家族構成の変化で多様化していて、直接会って商品選びについて説明し、顧客に選んでもらう方が安心感を持ってもらえます。そこで、19年4月に「供養のカタチ」というブランドで、訪問特化型のコンサルビジネスを始めました。

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――コロナ禍で訪問して行うビジネスができなくなってしまいましたが、どうしているのですか?

 ビジネスを始めたら、コロナ禍に当たってしまい、訪問して契約するスタイルは事実上難しくなってしまいました。その時に「LED関西」で選ばれたときに応援してくれた企業が、法人企業などを紹介してくれました。その紹介を頼りに現在営業をしている状態です。サポート企業は1回だけでなく、ずっと応援してくれるので有難いです。

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