電気自動車、音声SNS……21上半期のマーケティング・消費・技術のトレンド予測、注目のキーワードは?(1/2 ページ)

» 2021年04月20日 19時32分 公開
[ITmedia]

  2021上半期は、どんなキーワードが注目されたのか。日経BPはマーケティング&イノベーション専門メディア「日経クロストレンド」が作成した「技術」「マーケティング」「消費」の潮流を見極める「トレンドマップ 2021上半期」を発表した。

 20年夏に実施した前回の調査と比較し、将来性スコアが最も伸びたのは、技術分野では「量子コンピューター」「電気自動車(EV)」、マーケティング分野では「SDGs(持続可能な開発目標)」「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」「クラウドファンディング」、消費分野では「マルチハビテーション(複数拠点に住まいを持つ)」「サステナブル消費」となった。

将来性スコアが最も伸びたのは、技術分野では「量子コンピューター」「電気自動車(EV)」(写真提供:ゲッティイメージズ)

 同じく経済インパクトでは、技術分野で「コンタクトレス・テクノロジー(接触を避けつつ生活やビジネスを継続できるテクノロジー)」「電気自動車(EV)」、マーケティング分野で「動画マーケティング」「ダイナミックプライシング(商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略)」、消費分野では「クラウドゲーム」「ワーケーション(ワーク×バケーション)」がスコアを伸ばした。

 また今回の調査から新たに5つのキーワードを追加した。その中で、将来性スコアが高い水準だったのは、技術分野で「カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)」「エドテック(教育×テクノロジー)」、マーケティング分野では「クッキー代替技術(インターネットの閲覧履歴などを保存する「クッキー」を代替する技術)」、消費分野では「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」となった。

各分野でスコアを伸ばしたキーワード(2020年夏調査との比較、以下クレジットのない画像は同社のリリースより)

電気自動車が大きく伸長

 今回の調査のポイントとして、技術分野では「電気自動車(EV)」が将来性、経済インパクトともに大きく伸長している。欧米の自動車メーカーが「全面EVシフト」を戦略の柱に掲げる中で、日本政府も、35年までに新車販売で電動車100%を実現することを宣言した。

 国内市場では、トヨタ自動車が20年6月に発売した新型プラグインハイブリッド車「RAV4 PHV」や、ホンダ初の量産EVである「Honda e」(20年10月発売)が支持を集めるなど、次世代の電動車が確かな需要を伴って普及の兆しを見せている。

 また、EVへの関心の高まりの背景にあるのが新キーワードとして追加した「カーボンニュートラル」で、将来性スコアが4.22と高い水準だった。

 技術、マーケ、消費の全分野では、「SDGs」関連のキーワードが躍進している。マーケティング分野の「SDGs」をはじめ、消費分野でも「サステナブル消費」が将来性スコアを大きく伸ばした。

 また新たに追加したキーワードで将来性スコアが高かったのは、消費分野の「サーキュラーエコノミー」、技術分野の「カーボンニュートラル」だった。SDGs関連の取り組みは、もはや企業にとって避けては通れないもので、消費者にも響くキーワードとして期待を集めている。

新たに追加したキーワードの将来性スコア
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