SDGsに関連する象徴的なサービスとしては、21年3月に日本での展開を始めた米テラサイクルの循環型ショッピングサービス「Loop(ループ)」がある。繰り返し使える専用容器を使い、容器を回収・再利用することで、ごみを出さないライフスタイルを提供するもので、日本では味の素や江崎グリコ、キリンビール、資生堂など大手食品、日用品、化粧品メーカー24社が参画している。
「with&アフターコロナ」の注目キーワードを見てみると、消費分野では「マルチハビテーション(複数の住まいを行き来しながら自分らしい生活を実現するライフスタイル)」「ワーケーション」が将来性、経済インパクトのスコアを伸ばした。いずれもコロナ禍による外出自粛、リモートワークが浸透する流れの中で広がった概念だ。
個人で実行しやすいワーケーションがひとまずの現実解として経済インパクトのスコアを伸ばした形だが、複数拠点に住まいを持つ新しい生活スタイルも今後浸透していく可能性を示唆している。
マーケティング分野では、「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」「クラウドファンディング」が、将来性スコアを伸ばした。デジタルを通じて顧客と直接つながり、関係性を構築するD2Cブランドは、ベンチャー企業だけではなく大手企業も取り組みを始めている。
コロナ禍でネット通販の需要が高まる中、今後もさらなる市場の拡大が見込まれる。クラウドファンディングは、試作段階から支援プロジェクトを開始し、顧客の声を反映しながら商品・サービスを生み出すことができる。顧客参加型のブランドづくりを志向するD2Cとの相性がよく、将来性への期待が高まっている。
コロナ禍で「ワーケーション」「D2C」「クラウドファンディング」などのキーワードが注目されてきた。技術、マーケティング、消費のトレンドを見極め、時代の流れに沿ったサービスを生み出せる企業の活躍が期待される。
「トレンドマップ 2021上半期」は、日経クロストレンドの活動に助言する約50人のアドバイザリーボードと、編集部の記者など各分野の専門家の知見を集約し作成した。その分析結果は「現時点での経済インパクト」と「将来性」の2つのスコアでマッピングしている。
調査は首都圏を中心として2度目の緊急事態宣言が発令されていた2月後半から3月上旬に実施した。編集部が選定した技術28キーワード、マーケティング29キーワード、消費28キーワードそれぞれを認知する人に、そのキーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階で尋ねてスコアリングした。
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