総合スポーツメーカーのミズノは、淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業に伴い、ミズノ淀屋橋店(大阪市中央区)を6月30日をもって閉店すると発表した。2025年秋以降に完成予定となっている再開発ビル内に直営店を出店する。
ミズノ淀屋橋店は1927年に完成し、92年3月末まで本社屋として機能した。それ以降は直営店として運営し、94年にわたって創業者・水野利八の経営思想の象徴として存在してきた。
同店では懸垂幕を掲示したり、大阪で一番速いと言われたエレベーターを取り付けたりするなど、水野利八のアイデアによってさまざまなトレンドを発信。33年には7階と8階に大食堂をオープンし、「ライスカレー」「ホームランジョッキ」が人気を集めた。
また、岡部顕則氏が設計した建物自体の歴史的価値も高く、27年当時としては最先端の技術とデザインが採用されている。屋上エレベーター室はアーチを多用したロマネスクデザイン様式が、軒や階段手摺(てすり)は1920年代にドイツで流行した造形手法であるドイツ表現主義デザインが用いられた。
今回の再開発事業は、大和ハウス工業、住友商事、関電不動産開発が地権者かつ参加組合員として参画し、大阪市中央区北浜4丁目に地上28階の超高層ビルを新設する。 今年、既存建物の解体工事が始まる予定で、2025年の竣工を目指している。
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