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» 2021年06月04日 10時50分 公開

エイベックスが「あと値決め」を導入 投げ銭よりも高い入金率

ネットプロテクションズは、運営するポストプライシングサービス「あと値決め」を、エイベックス・デジタルが正式導入すると発表した。

[ITmedia]

 後払い決済大手のネットプロテクションズ(東京都千代田区)は6月3日、同社が運営するポストプライシングサービス(後から値段を決める形式)「あと値決め」を、エイベックス・デジタル(東京都港区)が正式導入すると発表した。あと値決めを導入することで、新たな収益基盤の構築と新たなビジネス機会を狙う。

(出所:プレスリリース)

 あと値決めを導入することで、ポストプライシングと呼ばれる利用者が後から値段を決める形でのイベント開催が可能になる。また、エイベックス・デジタル側は、価格調整のやりとりをネットプロテクションに任せる形で、イベントを開催できる。

 ネットプロテクションズは、チケットの決済から価格受付・請求・入金などのオペレーションを行うほか、未回収リスクを100%保証し、未払いや入金遅延に伴う対応まで全て代行するという。手数料は、チケット売り上げから数%のみとした。

 エイベックス・デジタルでは、あと値決め導入に向けて所属するアーティストが開催するファン向けイベントなどで実証実験を行ってきた。

 あと値決めと似た仕組みには、イベント参加者が自由に好きな金額を支払う「投げ銭」と呼ばれる仕組みもあるが、投げ銭の一般水準に対して4倍以上にあたる80%以上の入金率を達成。また、設定した最低価格からの平均上乗せ金額は2470円だった。

 その結果を踏まえ両社は、今後のファンミーティングやライブなどのイベントに、あと値決めを正式に導入することで合意したという。

 コロナ禍に伴うオフライン興行の休止要請などから、エンターテインメント業界全体が、事業収支上の打撃を受けた。あらゆるシーンでのオンライン化が余儀なくされ、いかに事業継続可能な収益化方法を実現するか各社模索が続いている。

 その中で、オンラインライブやスポーツ観戦など、各種プラットフォームが台頭し「投げ銭システム」が導入されたが、ネットプロテクションズは「収益を支える水準での明確な成果は得られていない」と説明する。

 同社が実施した調査では「ライブチャット」以外のコンテンツでは、そもそも投げ銭が支持されていなかったという。また、イベント種別ごとの投げ銭支持率は1割程度にとどまっていた。その傾向は投げ銭イメージの強い声優やYouTuberなどイベントでも同様の結果となった。

 一方でオンラインイベントへの参加や支払い意向は上昇の兆しが見えており、「定価の半額以上を支払い参加したい」という顧客は60%を超えていた。その上で「参加するかどうかは価格次第」という顧客層は全体の41%を占めている。イベントにおける価格戦略はエンターテンメント事業者にとって非常に重要なテーマとなりつつあるようだ。

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