ドーミーインのこだわりは「大浴場」だけじゃない 店舗数拡大でも維持する「水風呂」と「朝食」の質瀧澤信秋「ホテルの深層」(5/5 ページ)

» 2021年07月14日 05時00分 公開
[瀧澤信秋ITmedia]
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 前編・後編とお届けしたドーミーイン深掘り記事いかがだっただろうか。冗長にドーミーイン研究的な内容になってしまったが、まだまだここには書き切れないサービスもあることを付記しておく。

 訪日外国人旅行者激増で活況を呈してきたホテル業界の中でも、ドーミーインを含め宿泊に特化したホテルは特に勢いのあるカテゴリーといわれてきた。一方で、乱立により供給過剰も指摘されてきた業態である。ビジネスホテルの歴史をひもとけば、機能性や利便性に特化し、施設の充実度や多彩なサービスとは無縁な業態だった。しかしチェーン間の競争が激化したことで、各社が差別化を図るべくあの手この手の目新しいサービス提供を生み出してきた。

 そうした状況下でコロナ禍に襲われたわけだが、さらなるサービスの拡充を図りつづけるドーミーイン。この苦境をどのように乗り越えていくのか、何を突破口として業績を回復させていくのか。いずれにせよ興味の尽きないホテルブランドだ。

著者プロフィール

瀧澤信秋(たきざわ のぶあき/ホテル評論家 旅行作家)

一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。

日本を代表するホテル評論家として利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。評論対象は宿泊施設が提供するサービスという視座から、ラグジュアリーホテルからビジネスホテル、旅館、簡易宿所、レジャー(ラブ)ホテルなど多業態に渡る。テレビやラジオ、雑誌、新聞等メディアでの存在感も際立ち、膨大な宿泊経験という徹底した現場主義からの知見にポジティブ情報ばかりではなく、課題や問題点も指摘できる日本唯一のホテル評論家としてメディアからの信頼は厚い。

著書に「365日365ホテル」(マガジンハウス)、「最強のホテル100」(イースト・プレス)、「辛口評論家、星野リゾートへ泊まってみた」(光文社新書)などがある。


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