JTの上期 海外たばこ好調で増収増益 紙巻は数量減で「葉たばこ農家」の廃作募集(1/2 ページ)

» 2021年07月30日 18時45分 公開
[上間貴大ITmedia]

 日本たばこ産業(JT)は7月30日、2021年12月期第2四半期(21年1〜6月)の連結業績(国際会計基準)を発表した。売上高にあたる売上収益は前年同期比11.1%増の1兆1445億円、営業利益は同27.8%増の3221億円、純利益は同30.5%増の2252億円であった。たばこ事業の価格改定や海外たばこ事業の数量成長が貢献し、増収増益となった。

海外たばこが好調で増収増益

 国内たばこ事業では、紙巻たばこの販売数量は1〜6月実績で309億本。総需要の減少に加え加熱式たばこなどへの移行、低価格帯での競争激化を背景にしたシェアの減少などが影響し、前年同期比9.5%減となった。一方、加熱式たばこなどのRRP製品の販売数量は21億本で、同17.7%増となった。

JT 国内たばこ事業(JT21年度第2四半期決算説明会資料より)

 海外たばこ事業では、渡航制限に伴い、英国をはじめとした一部高単価市場での内需拡大が想定よりも長期化。その影響もあって総販売数量は前年同期比8.0%増となる2289億本。ウィンストン、キャメル、LD、メビウスの4銘柄を指す、GFB販売数量は同12.6%増となる1535億本だった。

JT 海外たばこ事業(JT21年度第2四半期決算説明会資料より)

 JTは同日、10月のたばこ税増税になどにあわせ、173銘柄の価格改定を財務省に申請したと発表。紙巻たばこは主に1箱30〜40円、リトルシガーは主に70〜130円の値上げとした。

 その理由として同社は「国内たばこ市場は販売数量の減少が継続し、今後もさらなる減少が予想される」と説明。「コスト上昇などを踏まえ検討を重ねた結果、各銘柄の品質・ブランド価値を維持し、銘柄によっては増税分以上の定価改定を行うこととした」とコメントした。

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