JTの上期 海外たばこ好調で増収増益 紙巻は数量減で「葉たばこ農家」の廃作募集(2/2 ページ)

» 2021年07月30日 18時45分 公開
[上間貴大ITmedia]
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葉たばこ生産は廃作希望者を募集

 7月29日には、国内たばこ事業の総需要減少などを理由に、22年産以降の葉たばこ生産について、廃止を希望する農家を募集すると発表。同社が廃作を募集するのは10年ぶりで、10アールあたり36万円を支払う予定としている。

 需要減が続く国内たばこ市場。紙巻きたばこ販売数量は減少しているものの、加熱式たばこなどのRRP製品の販売数量は増加し、ユーザーのニーズが多様化してきている。

 国内の加熱式たばこのシェアは、フィリップモリスジャパンの「アイコス」が圧倒的に多く、JTが占める割合は約1割だといわれている。巻き返しを図るべく、同社は7月26日から加熱式たばこ用デバイス「プルーム・エックス(Ploom X)」を展開。経営資源を優先的に投入し、グループの総力を結集し開発したと説明している。

プルーム・エックス 国内先行発売したプルーム・エックス(JT21年度第2四半期決算説明会資料より)

 決算発表会で、同社の見浪直博副社長は「お客さまの嗜好(しこう)に合わせて商品を最大限展開できるかがカギ。その意味で、紙巻、加熱式ともにしっかりと注力していく。一方で、将来にわたっての利益基盤を確かなものにするには、トレンドであるRRP製品を推進していくことが最も必要だと思う」と今後の戦略を語った。

 同社は、海外たばこ事業の貢献による上期実績を反映し、通期の業績予想を上方修正した。売上収益は当初見込みから1200億円増となる2兆2000億円、営業利益は、同390億円増の4020億円、当期利益は同320億円増の2720億円とした。

21年度の通期業績予想(JT21年度第2四半期決算説明会資料より)
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