「1カ月待ちと言われた」 ニーズに追い付かないPCR検査、沖縄で長い列足りない(2/2 ページ)

» 2021年08月05日 12時22分 公開
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足りない行政検査

 感染急増で民間PCR検査機関のニーズが高まる一方、行政検査は追い付いていない。本来は行政で対応すべき感染の可能性が高い人の検査も、民間が受け皿になっている側面がある。

 県が関わる検査は主に3種類。濃厚接触など感染の可能性が高い人が対象の「行政検査」「保険診療検査」は、自己負担がない。

 急増しているのは、県が民間に費用の一部を補助する「PCR希望者検査促進事業」。受検者は2千〜5千円程度を自己負担する。

 県内の陽性率は3日までの1週間で12.2%。比較可能な全国平均(4.7%、7月12日からの1週間)を大きく上回る。

 群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師は「陽性率の高さを見れば、県内の検査不足は明らかだ」と指摘。「原則として、症状がある人は医療機関で保険診療検査を、無症状の濃厚接触者は速やかに行政検査が受けられるようにすべきだ。感染の可能性が高い人が自費で検査せざるを得ない状況は個人の意識に委ねる部分が大きく、抜け穴が多すぎる」と強調する。

 「本島中部など感染密度の高い地域で、誰でも『予約なし、無料』で陽性かどうかすぐに確かめられる検査体制がこれまで以上に急務となる。結果が早く出る抗原検査も組み合わせるといい」と話す。

 徳田医師は、1年以上も検査体制の抜本拡充をしてこなかった国や県の対応が、後手に回る感染防止対策を生み出したとみる。「感染対策目的の検査は無料化すべきだ」と提言している。

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