両ブランドの全メニュー(季節・店舗限定メニューを除く)を分析していきます。
すき家と吉野家のメニューカテゴリー数を集計しました。両ブランドで大きく異なる点は、牛丼のバリエーションの数です。すき家には13アイテムの牛丼メニューがあり、吉野家の牛丼メニューは5つです。基本的な牛丼のラインアップは両ブランドともあまり変わりませんが、すき家では「とろ〜り3種のチーズ牛丼」「鮭オクラ牛丼」「エビチリ牛丼」「ビビンバ牛丼」といったように、牛丼から派生したバリエーションメニューが豊富です。そのため、牛丼カテゴリーのメニュー数が多くなっています。
さらに、すき家には吉野家にはない「海鮮丼」が5アイテム、「中華丼」が3アイテムあります。デザートメニューに関しても「なめらかカラメルぷりん」「とろけるダブルショコラ」など、吉野家には無いメニューラインアップが多数あります。
全体のメニュー数も吉野家が77品に対して、すき家が91品とすき家の方が14品程多くなっています。このように、メニューラインアップの幅を広げ、周辺の牛丼以外の競合飲食店の需要も含めて取り込んでいく戦略を「包み込み戦略」といいます。
こうしたお話をすると「どのお店も包み込み戦略をすれば良いのでは?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、包み込み戦略を行うためには、メニューアイテム数増加に伴う「厨房設備の増加」「オペレーションの複雑化」「食材ロスの増加」といった課題への対応が必須となります。企業にとっては、長年にわたるノウハウの蓄積が必要となるため、一朝一夕にはできないという側面もあります。
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