新型コロナウイルスのワクチン接種を世界最速級のスピードで進めている中東のイスラエル。人口は神奈川県とほぼ同じく約900万人、大きさは四国くらい、日本からは約9000キロ──遠くて小さな国であり、戦争中のイメージを持たれる人も少なくありません。
しかし毎年1400社ものスタートアップ企業が誕生する、世界でもまれに見るスタートアップ大国です。同時にアップル、グーグル、マイクロソフト、インテルといった世界的企業が、イノベーション企業を買収し、研究開発拠点をイスラエルに移しています。
2021年上半期、興味深いニュースが飛び込んできました。日本のマンモス企業であるNTTグループとソフトバンクグループが、ともにイスラエルで事業活動を活発化させているというニュースです。
NTTグループは21年7月、NTTの子会社としてイスラエルに技術拠点「NTT Innovation Laboratory Israel」を設立。トップは前駐日イスラエル経済公使のノア・アッシャー氏が務めることになりました。一方、ソフトバンクグループは、イスラエルの情報機関「モサド」の元長官、ヨッシー・コーエン氏を21年6月に起用しました。
NTTは前駐日経済公使、ソフトバンクはモサドの元長官を、それぞれイスラエルのビジネストップに就任させたことになります。なぜでしょうか。
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