他方、特徴的だった運営会社が1社。同社から開示された数字は以下の通りである(小数点以下は切り捨て)。
アメニティー費91円/リネン費191円/客室清掃費853円 計1136円
アメニティー費91円/リネン費374円/客室清掃費853円 計1318円
※シングルでもダブルユースでは2人分のアメニティーを用意するためアメニティー費が同額となる。
アメニティー費310円/リネン費332円/客室清掃費1580円 計2222円
この会社と、前にまとめとして例示したホテルとの大きな差が「清掃スタッフの人件費」である。他のホテルが400〜600円というところ、この会社では900円前後と1.5倍ほどになっている。他社との違いを確認すると、同社では清掃スタッフを全て自社雇用していることが分かった。一例として掲げておく。
こうしてみると、シンプルなビジネスホテルでもリネン・アメニティーに人件費を加えると最低1室1000円台前半は要していることが分かった。しかし原価はリネン・アメニティーや人件費だけで済む話ではない。
客室単位でいえば、光熱費や予約サイトへ支払う手数料もあるだろう。別にオーナーがいれば賃借料もあるし、国や自治体に納める公的負担も発生する。コロナ禍の値下げ合戦で2000円台というビジネスホテルの例を先述したが、原価を知るにつけシビアなホテル運営の現場を見るような気分にもなる。
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