クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
連載
» 2021年10月18日 07時00分 公開

電動化とラージPFを両立する、マツダ新工場の「縦スイングと横スイング」池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ)

「xEV計画」と直6縦置きのラージプラットフォーム。これを進めていくためには、当然生産設備を大幅に改変しなくてはならない。普通ならば、従来設備を適宜改良して、xEVとラージに対応させるだけでいいのだが、マツダはこれを大きなチャンスに変えようと考えた。

[池田直渡,ITmedia]

 のっけから、マツダが今やっていることを大づかみに理解するところから始めたい。

 マツダが現在取り組んでいる変革は大きく分けて2つある。1つは「xEV計画」。これはワンローターのロータリーエンジン発電機と、少なくとも大小2種類のジェネレーター(発電機)、それに加えて、容量の異なるバッテリーを順列組み合わせることによって、成立するコンポーネント型電動化ユニット群だ。

xEV計画とラージプラットフォーム計画

 大容量のバッテリーとインフラ電力からの外部充電器、それにモーターを組み合わせれば電気自動車(BEV)になる。中容量のバッテリーとインフラ電力からの外部充電器、さらにモーターとロータリー発電機を組み合わせればプラグインハイブリッド(PHEV)だ。そして小容量のバッテリーとロータリー発電機とモーターを組み合わせればシリーズハイブリッド(HEV)に、という具合に、各国の事情や、時代変化によるインフラの整備の進み具合に合わせて、組み合わせ次第でいかようにも対応できる設計になっている。

 もう1つは、マツダが現在最有力視している北米マーケットでの決戦兵器、直6縦置きのラージプラットフォームの配備である。マツダはFF横置き4気筒のスモールプラットフォーム群と、FR縦置き4/6気筒のラージプラットフォーム群の2つを基本形として置き、Mazda 3 /CX-30までをスモールに、それ以上、それは具体的にはCX-5(ここは諸説あり)から上をラージに切り替える。

 これを進めていくためには、当然生産設備を大幅に改変しなくてはならない。普通ならば、従来設備を適宜改良して、xEVとラージに対応させるだけでいいのだが、マツダはこれを大きなチャンスに変えようと考えた。

 第一に、元々xEV計画は、「何が売れるかはマーケットが決める」を前提にフレキシブル化を達成する思想なので、需要に柔軟に合わせて、何をどれだけ作るかを自在に変えられるようにしなければ成立しない。つまり戦略と生産設備が呼応する関係にしなければ意味がない。

 加えて、今のマツダの規模では、ラージプラットフォームはラインアップ全体の完成まで時間が掛かる。当面1車種からスタートし、車種が徐々に増えていくので、例えばラージ専用ラインなどを設けようものなら、ラインアップが増えるまで閑古鳥が鳴くことになる。

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