イクラ盛り放題は当たり前? ホテル朝食“激戦区”の北海道で見た驚きの朝食原価瀧澤信秋「ホテルの深層」(5/5 ページ)

» 2021年11月05日 06時00分 公開
[瀧澤信秋ITmedia]
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 北海道のホテル朝食では海鮮はデフォルトであること、海鮮が入るとググっと原価もアップすることを述べてきたが、よく言われるのは“ホタテ”は高く、本マグロと双璧という話だ。とはいえ、いまやホタテも北海道のホテル朝食では必須アイテムになっている。必須な食材といえば“イクラ”も同様。イクラがあるとブッフェボードも華やぐ。

 他方、とあるホテルの支配人は“イクラ”が悩みの種だといい、「『鱒(ます)イクラ』は確かに安いが『鮭(さけ)イクラ』はかなり高騰している」と話す。「10年前に3000円/キロだったものが、3年前くらいには1万円近くなり、いまでは優に1万円を超える」そうだ。しかし「無くすわけにはいかない」とため息交じりに語る。北海道ホテル朝食合戦の舞台裏は食材原価との戦いでもある。

著者プロフィール

瀧澤信秋(たきざわ のぶあき/ホテル評論家 旅行作家)

一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。

日本を代表するホテル評論家として利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。評論対象は宿泊施設が提供するサービスという視座から、ラグジュアリーホテルからビジネスホテル、旅館、簡易宿所、レジャー(ラブ)ホテルなど多業態に渡る。テレビやラジオ、雑誌、新聞等メディアでの存在感も際立ち、膨大な宿泊経験という徹底した現場主義からの知見にポジティブ情報ばかりではなく、課題や問題点も指摘できる日本唯一のホテル評論家としてメディアからの信頼は厚い。

著書に「365日365ホテル」(マガジンハウス)、「最強のホテル100」(イースト・プレス)、「辛口評論家、星野リゾートへ泊まってみた」(光文社新書)などがある。


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