リテール大革命

モノを売らずに体験を売る 資生堂が銀座の一等地で“最先端の瞑想”を提供するワケインナービューティーチャージ(2/4 ページ)

» 2021年11月05日 07時00分 公開
[臼井杏奈ITmedia]

装着するデバイスで利用者の“気持ち”を解析

 インナービューティーチャージのプログラムはデジタルを活用したセルフ方式を採用。ヘッドフォンの音声を頼りに画面を操作し、実施中は人と関わることなく没入感のあるメディテーション体験を提供する。

 「外見を磨いても、気分や気持ちによって前向きになれないこともある。ブランドは外面と内面に、ホリスティックなアプローチをしたいと考えており、内面の美を輝かせたいというのがメディテーションを提供する理由だ」(平山マネージャー)。そのため、老若男女をターゲットとしており、これまでの来客層である30〜40代女性だけでなく、海外客や男性客も呼び込みたいと話す。

 今回のリニューアルでは、元は1つだったコースを4コースに増やした。額に装着するデバイスから利用者の“気持ち”を測り、適したコースをレコメンドする仕組みだ。“気持ち”の解析方法の詳細は非公開とされているものの、快・不快、覚醒・鎮静の両軸から現在の状態を計るという。パーソナライズされた提案ができることがリニューアル後の特徴だ。

資生堂 利用者の気持ちを解析しておすすめのコースを提案

 資生堂の調査によると、人はそれぞれ“ストレスがない状態”と聞いて想像するものが違った。そこで回答が多かったキーワードから、「INSPIRE(集中力を養い、想像力を高める)」「ACTIVE(心と身体をリフレッシュ)」「EMPOWER(より前向きに自信をつける)」「CALM(気持ちを落ち着かせ心をクリアにする)」の4コースを作成した。

 いずれのプログラムも五感に働きかけるもので、ブランドの代表製品である美容液「アルティミューン」の香りや、左右の耳に周波数の異なる音を聴かせるバイノーラルビート、色が変化する光、暖かくなるシートの温度などがリラックスを与え、自分と向き合う時間を作り出す。

資生堂 カプセルに入り五感を刺激する

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