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セールスコンテンツの重要性が高まる。コンテンツマーケティングも変わるか営業プロセスの中身(1/2 ページ)

» 2021年11月20日 08時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 コロナ禍で、営業プロセスの中身はどう変ったのだろうか?

 コロナで最もビジネススタイルが変ったのは、営業ではないかとよく言われるが、これまで営業がなくてはならなかったB2Bにおいても、「もはや営業はいらない」だの、「オンラインで十分だから来なくていい」だの、「新人なのにベテランと変らないほど売っている」などと言う声があちこちから聞こえてきた。

 半面、「結局これまで売れていた人が売れる」的な話も多い、コロナ禍だろうがなんだろうが、個人として信頼がある人が売れる。何も変わらないという話もよく聞く。

セールス部門のコンテンツとマーケティング部門のコンテンツは同じか

 私の周囲を見渡しても、営業が直接コンタクトを取りづらくなり、明らかに訪問回数が減っていることは間違いなく、その分、企業はマーケティング部門を中心としてコンテンツマーケティングと称して、セールスになりかわり情報発信を行い、顧客企業との関係構築にいそしんでいる。

 一応、営業が訪問し関係構築を図る代わりに、組織として情報提供を行い、関係を維持していこう(あるいは、新規顧客の取り込みを図ろう)という試みなのだが、現在多くの企業で行われているコンテンツマーケティングにおける「コンテンツ」が本当に営業現場に役立つものになっているかと考えると、少々複雑だ。

 マーケティング部門がほしいのは、PBであり、資料ダウンロードといった関係性を示すKPIであることが多く、ある程度仕方がないのだが、企業によっては、SEO対策がすべてだと言わんばかりに、企業の持つオリジナルのコンテンツとは直接関係ないことをコンテンツと称し、発信しているところも多い。

 それはそれで効果はあるのだろうが、この場合のコンテンツは、基本的にマーケティング部門がつくったものであり、セールスの現場で営業が顧客へ伝えるコンテンツとはかけ離れていることも多く、セールス部隊にとって、どのようにセールス活動を後押ししてくれるのかという観点で考えると一長一短だろう。

 そもそも、マーケティング部門はセールスの現場でどのような話や提案がされているのかわからない企業が多く、どれだけマーケティングサイドで、コンテンツ(と思われるもの)を発信したところで、セールス部門からの発信コンテンツとの整合性がまったく取れなければ、顧客としても「???」だろう。

 そうなると、前述した、コロナ禍、アフターコロナにおいて、どういう人が売れるのかと言ったときにポイントとなるのは、セールスとしてのコンテンツをどれだけ持っているのか、自分の顧客にマッチした、営業としてのコンテンツを持っているのかどうか、ということがポイントになるのではないか。

 要するにマーケティング部門からあてがわれたものではない、営業と顧客の間のコンテンツが決めてとなっているのではないかと思える。

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