サントリーは12月3日、植物由来100%の素材を使ったペットボトルの開発に成功したと発表した。既存のペットボトルには化石燃料由来の素材が使用されていることから、リサイクルの際、二酸化炭素(CO2)や有害物質を輩出する点などが課題だった。植物由来の素材に切り替えることで、サステナブルな社会の実現につなげたい方針。
サントリーは2013年、植物由来素材30%のペットボトルを主力商品の一つである「サントリー 天然水」に採用。残り70%を占める化石由来の素材「テレフタル酸」を植物由来に切り替えるため、同社は12年、バイオ化学ベンチャーの米アネロテックとの共同開発を始めた。
9年の開発の末、 熱分解と触媒反応を使った技術を確立。 従来の技術では難しいとされていた、テレフタル酸の前駆体「パラキシレン」を植物から生成することに成功した。新素材には、 食料用原料のサプライチェーンに影響が出ないよう、 間伐材を活用したウッドチップを採用している。
同社は新素材のペットボトルについて「実用化のめどが立ち次第、すぐに採用したい」としている。ただ、開発に成功したのは、ボトル部分のみ。現在は、ボトルキャップを植物由来の素材から生成できるよう、研究を重ねているという。
商品の開発に使うペットボトルの素材を巡っては、同社は19年、「ペットボトル基本方針」を策定し、30年までに化石由来の原料使用ゼロを目指している。
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