東急と東急電鉄は12月8日、駅や車内などで拾得された忘れ物のうち、法的に保管期間が過ぎたものを、ブックオフを通じてリユース品として再流通させる実証実験を開始すると発表した。「モノを捨てない」資源循環型まちづくりを目指す取り組みとしている。
東急線の忘れ物は、遺失物法にのっとり適切に保管・管理し、問い合わせがあった場合は返却される。一方、持ち主が見つからず、法的に保管期間が過ぎた物は廃棄物として処理しているのが現状で、廃棄される忘れ物の量は、2020年度実績で、年間約25トンにものぼるという。中には傘や衣類、服飾雑貨やかばん類など、物品として使用できるものが数多く含まれている。
実証実験では、リユース・リサイクルに関するブックオフのノウハウと、国内外のブックオフグループの店舗網を活用し、保管期間の過ぎた忘れ物を再流通・再資源化させ、環境負荷の低減効果を検証する。
結果をもとに、鉄道施設以外の忘れ物などにも対象の拡大を検討する予定だ。実験を通じて東急電鉄が得た収益は、再生可能エネルギー100%で走行する世田谷線、SDGsトレインの電力購入などの環境配慮の取り組みに活用するとしている。
東急とブックオフは、本実証実験を通じて、誰もが参加しやすい資源循環型まちづくりの実現を目指す。今後も忘れ物や不要品に限らず、あらゆる資源の取り扱いを段階的に拡大し、資源循環の仕組みを作ることで、サステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。
あわせて、12月15日から約1カ月間、武蔵小山駅(東京都品川区)直結の商業施設「エトモ武蔵小山」1階で、ブックオフによる不要品買い取りイベントを実施する。ブックオフは「イベントを通じて、より幅広い層の人が気軽に参加できるリユース文化を、東急線沿線に広げていきたい」としている。
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