「ザ・スーツカンパニー」や「洋服の青山」を展開する青山商事は12月8日、ザ・スーツカンパニー公式オンラインショップ内に、同ブランド初の「バーチャルショップ」を開設した。自宅の近くに店舗がなく、ECサイトを利用するお客や、ECで商品を検索して実店舗で購入する「ウェブルーミング」をするお客など、さまざまな買い方にあわせたデジタルサービスとして活用する。
バーチャルショップでは、上下左右360度視点で実際にショップ内を歩いているような体験をできるようにした。各コーナーには「ザ・スーツカンパニー」「ホワイト ザ・スーツカンパニー」「ユニバーサルランゲージ」で取り扱う2021年秋冬アイテムを陳列。ブランドの世界観を表現した。
また、今期おすすめするアイテムには、特設ページへ誘導するリンクを設置し、商品の特徴やコーディネート例などを閲覧できるようにした。 リンク先から購入ページへアクセスできるようにした他、お客からの問い合わせに自動で応答する「チャットボット」を導入している。
同社が5月に示した中期経営計画では、「ビジネスウェア事業の変革と挑戦」として、顧客接点の拡大を目指したDX戦略などを進め、最終年度の23年度にビジネスウェア事業で250億円の増収を目指すとしていた。
10月にはザ・スーツカンパニー事業が展開する4つのブランドを集結したOMO型店舗「TSC SQUARE(ティーエスシー スクエア)」を開業。タッチパネル式の大型サイネージやタブレット端末を通じて、ECや全店の在庫から商品を選べるようにした「デジラボ試着室」を活用し、店舗の在庫数を4分の1まで削減。4ブランドを同じ店舗で展開することで、物件費の抑制にもつなげている。
広報担当者によると、バーチャル ショップもOMOを推進するDX戦略の一環として導入したという。買い方が多様化する中、さまざまなニーズに対応し顧客接点を増やすサービスの一つで、Webでも視覚的な要素を訴求していく狙いがある。
同社は今後、バーチャルショップ上で、シーズンにあわせた商品展開やECサイトと連動させたアイテムを増やす他、動画コンテンツの挿入するなど、より便利に買い物をができる機能を追加する予定としている。
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