貸付型クラウドファンディングを行うFundsを運営するファンズ(東京都港区)は12月24日、三菱UFJ銀行を借り手とする「Money Canvasファンド#1」を公開した。金利は年率で1%、期間は11カ月。1億円ずつ2月上旬まで、計3億円を募集する。
「個人が間接的に、三菱UFJ銀行のようなメガバンクにお金を貸して1%の金利をもらえる。リスクは三菱UFJ銀行のデフォルト(債務不履行)リスクなので、実質的に銀行預金のようなものだ。徹底的にリスクが抑えられた案件」と、ファンズの藤田雄一郎社長は言う。
預金保険制度で保護される預金よりはリスクは高いが、ほぼ普通社債と同レベルのリスクだ。普通預金が0.001%の金利、過去の三菱UFJ銀行の社債も利回り1%以下であることを考えると、1%の金利は大きい。
「Money Canvasファンド#1」は、三菱UFJ銀行がサービス開始した総合金融サービス「Money Canvas」を記念した第1号ファンド。Money Canvas上でも共同勧誘の形で掲載される。
Fundsは、リスクが低く安定的な金利が付く商品を目指して貸付型クラウドファンディング商品を提供してきた。利回りは1〜3%程度が多く、上場企業を中心に貸し付ける形だ。「日本には個人向けの社債市場があまりない。それを代替するような市場を作りたい」と狙いを話す。
これまでに152件の貸付を行い、累計募集金額は約149億円。分配が遅延した案件は一つもない。会員数は5万2000人を超えるが、30代、40代が中心で、シニア層の利用は限られていた。Money Canvasを通じて、三菱UFJ銀行を利用するユーザーの獲得を狙う。
「年金運用している方にも興味を持ってもらえる商品設計になっている。50〜60代に知ってもらえるとうれしい」(藤田氏)
Money Canvasファンド#1は、先着枠10%、抽選枠90%で募集する。抽選枠は上限金額を100万円としており、多くのユーザーに訴求する考えだ。今後、第2弾としてMoneyCanvasユーザー限定ファンドも検討している
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