未上場株の取引市場、ファンディーノマーケット始動 二次流通で市場拡大金融ディスラプション(1/2 ページ)

» 2021年12月08日 15時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 株式投資型クラウドファンディング「ファンディーノ」を運営する日本クラウドキャピタルは12月8日、未上場企業の株式を個人投資家が自由に売買できる取引市場「ファンディーノマーケット」をスタートさせた。未上場株式をオンラインで売買できるサービスは国内で初めて(発表時の記事参照)。

 当初、IPOなどを目指す成長企業3社と、社会的課題解決を目指すソーシャルベンチャー1社の株式を取り扱う。いずれもファンディーノで資金調達を過去行った企業だ。

 「未上場株は、投資家にとって出口が限定的で流動性に乏しい。未上場株の流動化を実現する」と、日本クラウドキャピタルの柴原祐喜CEOは狙いを話した。

日本クラウドキャピタルの柴原祐喜CEO

 今回取り扱う4銘柄は、産業用ロボットなどを手掛けるダブル技研、漢方薬ベンチャーのハーバルアイ、画像鮮明化アルゴリズムを開発するロジック・アンド・デザイン、地域通貨の発行を行うeumoだ。

 4社からは、「ファン投資家の増加に取り組みたい」「近い将来実行したいエグジットのトレーニングの場として活用したい」といった声が挙がった。eumoは、非営利株式会社であり社会課題の解決を目的としており、利益を出すことを目的としていない。にもかかわらず、ファンディーノでは4000万円の資金調達を実現しており、インパクト投資に対する投資家の関心の高まりを感じさせる。

IPOなどのエグジットに向けて成長を加速させるために利用するだけでなく、昨今注目される課題解決型企業にもエクイティファイナンスの機会を提供する

 ファンディーノマーケットで取り扱う銘柄の選定基準としては、「法令上定められた項目をクリアし、キャッシュフローの推移を見てどの程度の期間存続可能なのかで審査を行う。サービス内容に共感してくれた4社からスタートした」と柴原氏。

 今後は月に2〜3社ずつ増加させ、ファンディーノで資金調達を行っていない企業にも開放していく。地域に根ざした中小企業や、社歴の長い有名な非上場企業などが対象だ。

 ファンディーノマーケットで取引する投資家には、月額1100円の会費と売買代金の5.5%に当たる手数料を課すが、当初登録から3カ月間は無料としている。

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