SBI、子会社ソーシャルレンディングで150億円損失 投資家へは全額補填

» 2021年04月02日 16時43分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 SBIホールディングスは、子会社SBIソーシャルレンディングが取り扱う一部ファンドで、債権の一部または全部が回収不能となることに備えて、2021年1-3月期において減損処理を行うと発表した。グループ連結決算への影響は最大で150億円としている。

問題のあったファンドに対して減損処理を行うとともに、自社に責任があったとして投資家には全額を補填する(SBIソーシャルレンディング)

 SBIソーシャルレンディングは、小口の投資家と貸付先を結ぶプラットフォームサービス。投資家はファンドを介して資金を貸し付ける。しかし、一部の貸付先の運営に重大な懸案事項があるとして、2月5日に第三者委員会を設置し、調査を行っていた。

 現在は調査中だが、同社は求められる善管注意義務を十分に果たしていなかった可能性があり、金融商品取引法違反に該当する行為があったという認識だ。そのため、対象ファンドの投資家へは未償還の元本相当額を補填する予定。投資家への補填は原則法律で禁じられているが、今回は金商法が規定する事故として例外扱いできるという見解だ。

 なお、第三者委員会の調査は4月中をめどに完了する予定。現時点では、対象となるファンド名は明らかにしておらず、投資した投資家に個別に連絡が行なわれている。

 ソーシャルレンディングでは、募集時の説明と異なる目的に資金が利用されるなどの不正流用がたびたび問題となってきた。2018年には大手ソーシャルレンディング業者のmaneoマーケットにて、10億円以上の不正利用があり、金融庁が行政処分を行っている。

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