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» 2019年07月10日 12時05分 公開

地銀や信金は、なぜクラウドファンディングMakuakeと提携するのか? (1/3)

地方の技術を生かした製品は従来の商流のまま、地方に埋もれたままになっていることが多い。一方で、クラウドファンディングを運営するマクアケは、優れた製品のプロジェクト化を進めたい。その架け橋となったのが、各地の地銀や信金だった。

[斎藤健二,ITmedia]

 地方には技術力のある企業がたくさん眠っているーー。そういわれることの多い日本のモノ作りだが、その技術を生かした製品は従来の商流のまま、地方に埋もれたままになっていることが多い。売り上げが増加しなければ、量産体制も構築できないし、マーケティング施策も打てない。新たな職人の採用どころか、後継者不足に悩まされる。

 では、どうしたら地方の優れた企業を発掘し、製品を売り出していけるのか。

 クラウドファンディングサービス「Makuake」を提供するマクアケは、各地の地銀や信金と組んで地方の中小企業を支援する活動を行っている。既に100社の金融機関と連携し、実施したプロジェクトは500件を超えた。地銀がIT企業と提携する理由はどこにあるのか。マクアケの共同創業者、坊垣佳奈氏に話を聞いた。

マクアケの共同創業者、坊垣佳奈氏

技術ある地方の企業が埋もれる理由

 マクアケはどうやって企業を支援しているのか。その仕組みを、成功事例の折りたたみ電動バイク「glafitバイク」の例から見てみよう。2017年当時、メーカーのglafitでは試作も完了し販売を拡大したいと考えていたが、ネックとなったのが資金だった。

 「金融機関は実績がメイン。自転車は売れるかどうか分からないし、投資額が大きくなる。金融機関からの融資を受けづらい状況だった」と坊垣氏は当時を振り返る。この資金調達を支援したのがマクアケだった。

glafitバイクは目標金額300万円のところ、最終的には1億2800万円もの資金を調達することに成功した

 Makuakeにglafitバイクを掲載したところ、1台10万円を超えるこのバイクに支援者が殺到。わずか3時間で目標の300万円を突破した。支援者は資金を出す代わりに、製造したバイクを受け取る。いわば代金を前払いするこの仕組みが、購入型のクラウドファンディングの特徴だ。

 融資ではないので、リスクを取るのは消費者だ。マクアケも調達金額の15%を手数料として得る形のため、直接のリスクを負わない。この仕組みならば、担保や実績が少なく、銀行が貸すに貸せない企業でも、製品力さえあれば必要な資金を調達できる。リピーターも多く、固定ファンの多いMakuakeを使うことで、プロモーションやマーケティングにもつながる。

 従来の銀行ができなかったことを、クラウドファンディングという新たな仕組みで実現した形だ。

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