2011年頃から日本でも普及し始めたクラウドファンディングだが、マクアケでは新たなビジネスを起こしたり、拡大させたりすることを支援する産業支援型を目指す。
「リアルなプロダクトを作っているのはレガシーな業界。高齢化も進んでいる。技術はあって、いいものは作っているが、新商品を生み出せていない。技術を生かせなくて(事業としては)死に絶えていくということが起きている」(坊垣氏)
例えば、うるしはお重とお椀(わん)にしか使われていなかった。そのままなら、お重とお椀の需要低下に伴って、せっかくの技術も生かされずに終わってしまうかもしれない。ところが例えば、iPhoneケースにうるしを塗ってみようなど、違うアイデアがあって、それができる職人がいれば、技術を生かした新事業が起こせる可能性がある。
「職人がMakuakeの仕組みを理解して使うというところには、まだ至っていない。そこを銀行に肩代わりしてもらう」(坊垣氏)というのが、この仕組みだ。
もっとも、消費者側がリスクを負うという特性上、購入したはずのモノが出荷されないというのは絶対に避けなければいけない。そのため、この仕組みで取り扱えるのは、資金さえあればしっかりと量産が可能なレベルに限られる。坊垣氏は、「アイデアレベルのものは提供できない。プロダクトの開発はアイデア、試作品、量産という順番で進むが、まずは量産から救うべき」だと話す。
海外のクラウドファンディングでは、これまでになかったような革新的なプロジェクトが登場することがある。しかし、これらは全てが成功するわけではなく、資金は集めたものの、結局モノを生産できずに解散してしまうものもある。購入型のクラウドファンディングと一口でいっても、何を目指すかによって内容に広がりが出てきている。
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