とはいえ、実際に売れているクルマを並べてみると、また違ったトレンドが見えてきました。
まず、登録車でいえば年間販売ランキング(11月までの累計)でトヨタのコンパクトカー「ルーミー」が2位となっています。そして4位に約9万台を売ったトヨタの「アルファード」がランクイン。軽自動車に目を移せば、トップはホンダの「N-BOX」、2位はスズキの「スペーシア」で約12万3000台、3位はダイハツの「タント」の約10万6000台となります。
ここで名前が挙がったクルマの共通点は何でしょうか? それは、どれもが箱型のボディにスライドドアを備えていることです。
特に軽自動車では、箱型ボディ&スライドドアはトップ・セールの必須スタイルとなっています。
実際にスズキは8月に「ワゴンRスマイル」というスライドドアを備えた新型モデルを投入。これは、16年に投入されたダイハツのスライドドア付きの「ムーヴ・キャンバス」がヒットしているのを追撃するのが目的です。
また、登録車の販売ランキング上位に食い込んできた「ルーミー」も「アルファード」も、すでに発売されてから何年も過ぎた、正直、古いモデルです。「ルーミー」のデビューは16年、「アルファード」はもっと古くて15年。もう5年も前に出たモデルが販売ランキング上位に顔を出すなんて、製品の魅力というよりも、世のトレンドが理由としか考えられません。
ちなみに20年の「ルーミー」は年間販売が約8万7000台でランキングは6位、「アルファード」は約9万台で5位。この数字は12カ月分です。つまり、今年のまだ発表されていない12月分をプラスすれば、どちらも昨年よりも今年の方がたくさん売れているのです。
つまり、軽自動車も登録車も「箱型&スライドドア」のクルマが非常にたくさん売れたのが21年だったのです。
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