余談だが、実はこの攻撃を深刻な問題と捉えた米政府は、米軍の中にサイバー軍を設立することにした。振り返ると、この事件はある意味でいいきっかけになったことになる。
このケース以外でも、米軍ですご腕ハッカーらを多数擁(よう)しているNSA(米国家安全保障局)は、USBケーブルにマルウェアを埋め込む「コットンマウスI」と名付けられたサイバー攻撃ツールを開発していたことが内部資料から分かっている。要は、サイバー工作を行う人たちにとってUSBを使った攻撃は効率的で、人をだましやすいものなのだ。
会社や駐車場などで、USBメモリなどを拾ったら、あなたならどうするだろうか。
16年に米イリノイ大学が行った調査では、見知らぬUSBメモリを見つけた人の48%はパソコンに差し込んでしまうことが判明している。中身が気になる気持ちも分からなくはない。
先の米軍のケースのように駐車場であれば拾わないかもしれないが、社内でUSBメモリを見つければ、コンピュータに差し込む可能性は高まるかもしれない。過去のケースを見ていると、高い技術力を有する会社に勤めている人を標的にして、あの手この手でUSBメモリを差し込むよう仕向けてくる。
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