こうした背景から、米国のサイバー防衛を担う国土安全保障省の傘下であるCISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャー・セキュリティ局)は、USBデバイスを使ったサイバー攻撃に対して、知らないUSBを決してコンピュータに差さないよう忠告している。
FBIが警告した背景には、21年にUSBを使った攻撃が前年比で倍増している実態がある。サイバー攻撃には国境がないため、こうした攻撃は世界に広がりやすい。日本でも、すでに起きている可能性がある。
少しでも怪しいと思ったら、その直感には従うべきである。心当たりのないメールやUSBデバイスは、むやみにコンピュータに挿してはならない。そんな小さな意識こそが、自分や会社のシステムを守る第一歩となるのだ。
山田敏弘
ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。
Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル」
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