メルカリ上期決算、最終赤字27億円に転落 売上高は過去最高の711億円2022年6月期決算

» 2022年02月03日 19時40分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 メルカリが2月3日に発表した2022年6月期上半期(2021年7月〜12月)の連結最終損益は、27億2800万円の赤字(前年同期は41億1100万円の黒字)だった。売上高は711億9100万円(対前年同期比47.7%増)に増加し、過去最高を更新した。広告宣伝費への積極投資で、フリマアプリ事業でのユーザー数が増加した一方、緊急事態宣言解除などで出品数などが減少。最終的な赤字転落につながった。

photo メルカリのオフィス(出典:同社公式Webサイト)
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日本の「メルカリ」事業、広告宣伝費が増加中

 第2四半期単体での事業別状況を見ると、日本国内で展開する主要事業のフリマアプリ「メルカリ」ではGMV(流通取引総額)が2268億円(前年同期比15%増)、MAU(月間アクティブユーザー)は2045万人(同13%増)となり、ともに過去最高を更新した。

 事業単体の売上高も218億円(同15%増)でこちらも過去最高だったのに対し、GMVの成長率は想定よりも鈍化したという。同社は要因について「21年10月の緊急事態宣言解除で出品数の鈍化や購入頻度の減少が影響した」と説明している。

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 事業内でのコスト構成では、広告宣伝費が57億円と第1四半期から10億円増加した。比率では前年同期比22%から26%に増えた。

 江田清香CFOは「メルカリでは第2四半期がハイシーズンだ」とした上で「中長期の成長にむけて新規ユーザー獲得などの投資を積極的に実施したため、対前年比で広告宣伝費率が増加している」と説明。「招待キャンペーンや既存ユーザーの活性化は今期の重要施策。若年層から中高年層をしっかりと取り込むため、TVCMなども継続的に行っていきたい」とした。

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 同事業では、Webを「アプリに続く第二の玄関」と位置づけ、サービス拡充に取り組んでいる。スマホアプリのみで提供していた機能をWeb版メルカリにも追加するなどして、改善に取り組んだ結果、GMVに占めるWeb比率は8%を記録したという。20年第1四半期(19年7月〜9月)は3%だったため、約1年半で5%増加している。

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新事業「メルカリShops」も順調に成長

 発表後の質疑応答では、報道陣から10月に開始した新事業「メルカリShops」の業績への影響を問う質問が出た。

 メルカリShopsは、子会社ソウゾウが手掛ける、事業者向けネットショップ開設支援サービス。メルカリ内にショップを開設でき、フリマアプリでの個人間取引と違い、値下げ交渉に応じる必要がない点が特徴だ。

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 江田CFOは「オープンしてまだ半年で、GMVの開示もしていない状況のため、(業績への)インパクトは限定的」としつつ「機能が限定的な中でも想定を超え、出品数、出店数が着実に伸びている。新規ユーザーを獲得しつつ、既存ユーザーには売れる体験をしてもらい、売り上げを着実に伸ばしていきたい」とした。

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