最大3カ月待ち! 冷凍パンのサブスクが右肩上がりに伸びるワケ新たなパンの経済圏(3/6 ページ)

» 2022年03月30日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

供給が追いつかない「個人向け」パンのサブスク

 そうして、20年2月に開始したのが個人向けの冷凍パンのサブスクサービス「パンスク」だ。全国のパン屋から1箱8個前後の冷凍パンが届き、価格は3990円(送料込み)。発送頻度は、2週間、 1カ月、 2カ月の3パターンを用意した。

 冷凍庫で約1カ月間の保存ができ、食べるときは自然解凍してトースターで焼く、あるいは凍ったままレンジでチンしてもOK。使用している冷凍技術はオフィス向けと同様だ。

 同事業では、パンフォーユーが冷凍に使用する専用袋、パンを発送するボックス、同封するメッセージカードなどを支給し、各パン屋がパンを作って発送する流れだ。パン屋はパンフォーユーが開発したシステムを使って発送手配や管理を行っており、パンフォーユー側も配送状況を把握できるという。「パンフォーユー オフィス」でも、同様のシステムを使用している。

レンジでチンすれば、すぐに食べられる。試食したところ、しっとりしておいしいパンだった

 サービス開始当初は、広告を打たずにPRのみとしたが、オーガニック検索からの流入で着実に申込数が増えていった。21年から広告を打ち始め、プロモーションを厚くしていた最中、流入がグッと伸び、同年4月末には供給が追いつかなくなった。

 「広告効果に加え、21年4月下旬に経済ドキュメンタリー番組『ガイアの夜明け』で取り上げられたこともあり、申込数が伸びました。その後はご登録が順番待ちとなり、現状は最大3カ月待ちとなっています」(矢野氏)

 すでに21年1月時点で1日あたりの新規登録者が前月比で5倍に伸びていたが、メディア露出が追い風になったようだ。22年2月末時点で、1万5000人以上がサービスを利用している。

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