消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリアは、転職に成功した20〜65歳の男女を対象に「決定年収上昇率ランキング(職種版)」を作成し、その結果を発表した。決定年収とは、転職を受け入れる企業が採用決定時に個人に提示する年収のこと。職種大分類別で転職時の年収上昇率が最も高かったのは「クリエイティブ系」で、コロナ前の2019年から6.9ポイント増加した(職種大分類:職種を大きな分類で括ったカテゴリーを指す)。
2位は「販売・サービス系」(19年比5.2ポイント増)、3位は「技術系(メディカル・化学・食品)」(同5.0ポイント増)と続いた。
同社は「クリエイティブ系」が1位を獲得した背景について、「コロナをきっかけに、あらゆる業界でサービスをWebやアプリに移行する動きが進み、クリエイティブ人材の活躍の場が増えた。その結果、人材競争が起こり、年収を引き上げて採用を行う企業が増加している。また、ここ数年でクリエイティブ人材の採用実績が一気に増加し、各企業で職務に対する年収の適性化が行われたことも要因だろう」とコメントした。
細かな職種に分けた職種別での上昇率ランキングをみると、年収上昇率1位は「アセットマネジメント」(19年比37.5ポイント増)だった。次いで「営業(医薬品メーカー)」(同30.3ポイント増)、「研究」(同24.4ポイント増)と続いた。
1位にランクインした「アセットマネジメント」は、投資家に代わって不動産ファンドで不動産売買や、賃貸借の運用業務を行う。同社は「不動産系投資では海外案件増加に伴い、より複雑な知識が必要になった。そのため、企業が求める人材のレベルも上がり、決定年収が上昇したと考えられる」と分析した。
調査は19年1〜12月末、21年1〜12月末までの間に転職サービス「doda」経由で転職に成功した20〜65歳の男女の、転職決定企業での決定年収をもとに算出した。
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