「留学もサークル活動もできないなんて、コロナ禍の就活生はガクチカがないのではないか」といった声をよく耳にする。2020年から新型コロナウイルス流行が続き、もう2年の月日がたった。「ガクチカ」とは学生時代力を入れたことの略語で、就職活動においては志望動機と同様に重視される項目だ。以前のようなガクチカが使えなくなっているなかで、学生、企業はどのように就職・採用活動に対応しているのだろうか?
就活支援サービス「マイナビ」の高橋誠人編集長に、コロナ禍における就活生の現状を聞いた。
学生はコロナ禍で、今までとは違う大学生活を送っている。大学の授業はオンラインになり、サークル活動は制限され、友達とはなかなかリアルで会えていないという。
高橋編集長は「私たち大人は"大学生活"と聞くと、友達と遊んで飲み会に参加し、留学や旅行に行き、サークル活動に励む、キラキラしたキャンパス生活を思い浮かべがち。しかし今の学生は、大学時代はしっかり勉強し、知識や資格を身につけたいと考える傾向がある」と指摘する。
新型コロナウイルスの影響を最初に受けたのは21卒(2021年3月卒)の就職・採用活動だ。大学で実施される合同説明会や大規模施設で開催していた就活フェアは全て中止になり、採用活動のオンライン化が急速に進んだ。旅行・航空・観光業など新型コロナウイルスの影響を大きく受けた業界は、経営悪化に伴い採用計画を見直さなくてはいけない状況に陥った。大手企業は働き方改革の一環でテレワークを導入しており、比較的スムーズに対応したが、中小企業や地方の企業は苦労した企業が多いという。
マイナビの「2021年度新卒採用・就職戦線総括」によると、一次面接をオンラインで実施する企業は、21年卒は24.1%、22卒は37.5%と1年間で約13ポイント増加した。
21卒の就職・採用活動のオンライン化が進んだことで、22卒からは学生・企業がオンライン採用のメリットに目を向けるようになった。物理的距離を超え、地方の学生が首都圏の企業に、首都圏の学生が地方の企業に目を向けられるようになり、企業選びの幅が広がった。
マイナビの「2022年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」によると、地元(Uターン含む)就職を希望する学生は57.8%(前年比2.9ポイント増)だった。増加に転じたのは17年卒以来5年ぶり。
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