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上司ガチャって関係ある? 40歳からは「愛をケチらず、上司を出世させよ」河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(3/4 ページ)

» 2022年04月08日 07時00分 公開
[河合薫ITmedia]
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 上司を選ぶことはできないけれど、上司との関係性を変えることはできます。

 上司・部下に限らず、人間関係で大切なのは、いやな相手でも「愛をケチらない」ことです。

人間関係で大切なのは……(提供:ゲッティイメージズ)

 上司にあたる部長職の最大の関心事は「役員になれるかどうか」だと考えると、「上司が喜ぶことをやる=粘土層」ではないのです。

 そもそも日々の仕事は、やりたいとか、やりたくないとかは関係なく、「やらなくてはならない」作業です。それを私たちは「日常」と呼んでいるのです。

 その日常、すなわち「自分のやるべきこと」一つ一つに誠実に向き合い、完全燃焼する。たとえ、「私がやったことまで、自分の手柄にする上司」であれ、「言ってることをコロコロ変える朝令暮上司」であれ、あれこれ考えずにやるしかないのです。だって、きちんと見てくれている人は必ずいるのですから。「世の中思い通りにはならないけれど、案外捨てたもんじゃない」のです。

 それに、少し大げさな言い方をすると、どんなキャリア人生を歩もうとも、どんな大企業に入ろうとも、最後に問題になるのは「その人がどんな人間なのか?」です。40歳をすぎれば、なおさらのこと。会社がシニア社員に期待するのは、人間的な成熟さです。

 自分を客観的に見ることができるか? 長年の間に蓄えたスキルや知識を若い世代に移転できるか? 一般的な良識や常識があるか?

 つまり、謙虚さと真面目さこそが、40歳以上の会社員の最大の“売り”。それは同時に、「俺が俺が」というエリート意識からの抜け出すことを意味しています。

 人は他人に役立つことをするから、自分を受け入れることができる。自分のふがいなさは、誰かの役に立つことで喜びに変わります。

 自分の存在意義、居場所に悩む40〜50代だからこそ、「誰か」が喜ぶことをすれば、皆から頼られる存在になる。半径3メートルの人が幸せになる行為をすれば、「人」として評価されるのです。

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