4月11日、ドル円為替は再び急速に円安が進み、125円半ばに至った。2015年8月以来、6年半ぶりの円安水準だ。先週末8日は124円30銭前後だった。11日の1日で1円以上円安になった形だ。
(写真提供:ゲッティイメージズ)
米国債10年ものの利回りが、19年3月以来の高水準となる2.75%に達したことから、円売りドル買いが進んだ。米国の中央銀行にあたるFRBは、インフレが収まらない中、引き締め政策を加速させており、それが利回り上昇を招いている。
直近1カ月でドル円は8円上場した(グーグル)
- 政府と日銀は円安進行をどう考えているのか
このところ、日本政府と日銀から為替相場に関する発言が相次いでいます。これら一連の発言は、ドル円が3月28日に、一時1ドル=125円09銭水準までドル高・円安が進行したことを受けてのものです。
- 121円台をつけてきたドル円〜今後の見通し
ドル円は年明け以降、おおむね1ドル=114円〜116円を中心とするレンジ内で推移していましたが、3月11日にドルの上値抵抗線として意識されていた116円35銭水準を上抜けると、ドル買い・円売りの動きが一気に加速しました。ドル円は3月22日に2016年2月以来、約6年1カ月ぶりに121円台を回復し、翌23日には121円41銭水準までドル高・円安が進行しました。
- ロシアのルーブル安を笑えない? 日本円もひっそりと「大暴落中」のナゼ
ロシアがウクライナを侵攻し始めてから、同国通貨単位である「ロシアルーブル」は対円相場で18%暴落した。しかし、ルーブルが対岸の火事になっていると認識するのは早計だ。このところ日本円も大幅に円安、つまり暴落しているのだ。
- リスクオフの円高が進まない理由
ウクライナ情勢の混迷で円は大半の通貨に対して下落、いわゆるリスクオフの円高とはならなかった。
- 円安・株安はなぜ起きた? 日本はもはや「スタグフレーション入り」したのか
「円安になると株価は上がる――」。この法則がいまや崩れようとしている。景気が後退しているにも関わらず物価が上昇する状態を、スタグフレーションという。通常、景気が悪い中で物価が上がる場面は限定的であるが、今回においては消費税の増税による半ば強制的な物価の押上げが、これを現実のものにするかもしれない。
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