日本電信電話(NTT)は5月9日、グローバル事業の強化を目的に、組織再編を行うと発表した。海外向け情報インフラ事業を手掛ける100%子会社のNTTリミテッドをNTTデータ傘下に移管。10月1日付けで新たに海外事業会社を設立し、リミテッドとデータ双方の海外事業を統合する。
NTTの澤田純社長は再編の理由として、デジタル技術の普及に伴う企業活動や個人のライフスタイルの変化などを挙げ、「グローバルレベルでのダイナミックな環境変化に対応する必要がある」と説明。
NTTデータはコンサルティング事業やアプリケーションサービスに、NTTリミテッドはデータセンター関連事業にそれぞれ強みを持つ。双方の海外事業を統合することで(1)海外戦略の一貫性(2)総合的なサービスの提供(3)コスト削減(4)不足するデジタル人材の結集――といったメリットを見込んでいる。
海外事業の統合により、10月1日付けで設立する新会社は、売上高が約3.5兆円、従業員数は約18万人、海外売上比率は60%と見込む。新会社の持株比率はNTTデータが51%、NTTが49%。最終的にはNTTデータがNTTから4%相当の株式を追加取得し、持ち株比率を55%対45%とするという。
2023年にはNTTデータをホールディングス化し、傘下に国内事業を担う新会社を設立。国内と海外で事業を会社ごとに分割するという。
NTTデータの本間洋社長は、同社の目標として「25年までにITサービス領域で世界トップ5に入り、グローバルで信頼される企業にしたい」と説明。今回の事業統合により、「競争優位性、独自性を高めていく」と強調した。
18年の就任から組織の大型再編を相次いで行ってきた澤田社長は、再編は完了かとの記者の質問に対し「再編が目的ではなく、顧客への価値や企業体をより発展させるのが目的。再編に終わりはない」と話した。
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