5月12日に発表した2021年度通期決算で、3期ぶりの黒字回復を果たした日産自動車。同社のアシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)は通期決算について「逆風の1年だった」と振り返る。そうした中で、業績をけん引したのが米国市場だ。特に21年11月に予約注文を始めたSUVタイプのBEV(バッテリー型電気自動車)「アリア」の販売が好調だといい、グプタCOOは会見で、同車種の新規注文を停止していることを明らかにした。
アリアは力強い加速と滑らかな走り、EVの特性を活かした静粛性が特徴のEV。19年にプロトタイプを公開し、約3年の時を経て、発売に至った。5月12日からは標準モデルに当たる「B6」の日本国内での販売を始めた。米国では今秋の発売を予定している。同社広報によると、5月6日付けで米国での新規注文を停止したという。
日産は22年度の国内販売台数を51万台(前年比19.2%増)に設定。5月20日には軽自動車の新型EVの発表も控えており、国内の増加分は全てEVが担うという、強気の目標設定だ。グプタCOOは「軽EVと『ノート』『オーラ』『アリア』の4車種が成長の柱になる」と強調。10年に発売した「リーフ」をEVでの「第1の革命」と位置づけ、「22年は日産にとって重要な年。アリアと軽EVで2番目の革命を起こしたい」と意気込んだ。
なお、22年度の欧州市場での販売台数目標に、操業停止中のロシア・ウクライナ市場での売り上げは盛り込んでいない。
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