「テスラの素晴らしいところはEVの認知度を上げた点だ」――日産自動車のアシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)が2月8日の決算発表の場で、電気自動車(EV)で競合する米テスラを賞賛する一幕があった。
記者から、テスラの業績が好調で販売台数を増やしていることへの受け止めを問われたグプタCOOは「われわれは2010年にEVのパイオニアとして『リーフ』を市場に投入したが、当時、お客さまはいなかったし、EVの市場も存在しなかった。(充電するための)インフラも十分でなかった」と当時を回想。そうした状況の中でも投入した理由について「電気自動車の革新性を(ユーザーに)見せたかった。だが、認知度不足で電気自動車(の事業)は10年からあまり成長しなかった」と説明した。
日産は10年、世界初の量産型EVとして「リーフ」を投入するも、グプタCOOの説明によると、当初は上手くいっていなかったようだ。
だが、テスラの参入で状況が一変したという。「テスラが参入したことで電気自動車の認知度は大幅に向上した。それはテスラだけでなく、われわれの助けにもなっている。なので電気自動車の認知度向上はテスラのおかげだ」とグプタCOO。ライバルの登場によって自社のEV事業も好影響を受けたことを明らかにし「ガソリン車に乗っているユーザーでも、電動車に手が届くようにしたい」とEVの普及促進に意欲を見せた。
日産は同日の決算発表の場で、欧州向けエンジンの新規開発を終了することを正式表明した。ライバルと切磋琢磨しつつ、事業を今後どう展開させていくかに注目が集まりそうだ。
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