5月29日未明(現地時間28日夜)に、世界最高峰のサッカーのイベントが開催される。欧州最強クラブを決める「UEFA チャンピオンズリーグ」(CL)の決勝戦だ。欧州各国のリーグ戦が終了し、2021-22シーズンの欧州サッカー最終戦となる決勝では、日本代表FW南野拓実選手が所属するリヴァプール(イングランド)と、歴代最多13度の優勝(前身のチャンピオンズカップ時代も含む)を誇るレアルマドリード(スペイン)が対戦する。
CLは、各国の強豪クラブが繰り広げる質の高い試合もさることながら、巨額のマネーが動くという点でも注目を集める。大会の収益構造などを、大会主催者UEFA(欧州サッカー連盟)の資料や、大会の放映権ビジネスを手掛ける代理店社員への取材で解説する。
UEFAはCLに加え、CL出場チーム以外が出場する「ヨーロッパリーグ」(EL)、「ヨーロッパカンファレンスリーグ」(ECL)、CLとELの優勝チームが対戦する「スーパーカップ」の計4つの欧州カップ戦を主催している。UEFAは公表資料で、今季の4大会の合計収益が35億ユーロ(日本円で約4760億円、1ユーロ=136円で計算)に達するとの試算結果を発表している。
UEFA専属マーケティング代理店「TEAMマーケティング」で、アジア地域でのCLのテレビ放映権やスポンサーシップ営業を統括する岡部恭英シニアバイスプレジデントAPAC(アジア・パシフィック)代表は大会収益や放映権に関して「詳細は明かせない」と話す。
だが、UEFAの資料で公表されている数値や岡部代表の話から推測すると、UEFA主催大会の収益全体の約8割をCLが占め、CL収益の約8割を放映権が占めるとみられる。
このため、単純計算でCLの収益額は約3800億円、このうち放映権は約3046億円と推定される。残りは「主にスポンサーシップによる収益が占める」(岡部氏)という。
Jリーグが5月26日に発表した、21年度全54クラブ(決算時期が遅いジュビロ磐田・柏レイソル・湘南ベルマーレの3チームを除く)の営業収益合計は1147億円(前年度比115%増)。単純計算で約3.3倍の収益をCLのみで生み出している計算になり、CLの大会規模の大きさが分かる。
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