余談だが、トヨタはそこからさらに一歩踏み込んだ。部品不足によって生産が止まれば、迷惑を掛けるのはユーザーである。トヨタは過去から現在に至るまで、お客様第一を明言している。当然、お客様のためという大義の下に、サプライヤーに無理を強いる場面もあった。今トヨタはそれも改めようとしている。
もちろん顧客のメリットとのバランスは取るのだが、それを大義名分としてサプライヤーに無理をかけ過ぎていることに気付いたのである。「お客さんのためだ」と言ってサプライヤーに無理を押しつけ続けたら、サプライヤーでさまざまなコストアップが発生する。それはやがて巡り巡ってトヨタ自身にも返ってくる。そういう状況を是正するために「意志ある踊り場」と言い出したのである。その戦略がどういうものになるかはまだ分からないが、ここでもサプライヤーの困り事に真摯に向き合う姿勢が見て取れる。
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