余談だが、トヨタはそこからさらに一歩踏み込んだ。部品不足によって生産が止まれば、迷惑を掛けるのはユーザーである。トヨタは過去から現在に至るまで、お客様第一を明言している。当然、お客様のためという大義の下に、サプライヤーに無理を強いる場面もあった。今トヨタはそれも改めようとしている。
もちろん顧客のメリットとのバランスは取るのだが、それを大義名分としてサプライヤーに無理をかけ過ぎていることに気付いたのである。「お客さんのためだ」と言ってサプライヤーに無理を押しつけ続けたら、サプライヤーでさまざまなコストアップが発生する。それはやがて巡り巡ってトヨタ自身にも返ってくる。そういう状況を是正するために「意志ある踊り場」と言い出したのである。その戦略がどういうものになるかはまだ分からないが、ここでもサプライヤーの困り事に真摯に向き合う姿勢が見て取れる。
営業利益11倍に マツダ地獄からの脱出、最終章
【自動車メーカー7社決算】ものづくりのターニングポイントがやってきた
トヨタは、1800億円の部品代高騰をどうやって乗り切ったのか 原価改善のファインプレー
理由は半導体だけではない 自動車メーカー軒並み減産と大恐慌のリスク
現場から見たTNGA改革 トヨタ副社長インタビュー(2)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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