その他、生産コストや利益率、生産数などを、経営企画部とすり合わせた。販促部門や営業部門、広報部門とも連携し「この商品の魅力を代理店やお客さまにどう伝えるべきか」をテーマに打ち合わせを重ねた。品質管理部と協議、部材の手配や輸送などを調達・物流部門と調整し、数多くの社内部署と関わりながら、一歩一歩、製品化に近づいていった。「企画を思い付いた20年の冬から、結局形になったのは21年の秋ごろで、1年近くの時間がかかりました」と金谷さんは振り返る。
今回のキングミニシリーズは、初年度の販売目標数量をシリーズ合計約4万個に設定している。「ミニチュアは、マニアックで個人向けな商品です。カテゴリーでいえば、雑貨に近いと思います。オフィス向けの商品が多いキングジムの中で、この切り口がどこまで通用するのか挑戦したいです」と話す金谷さん。数量限定商品だが、反響を見て第2弾、第3弾も検討しているという。
コロナ禍を機にテレワークが広まったことで、ペーパーレスが一気に加速。オフィス向け商品の売り上げは徐々に減少しているのが現状だ。キングジムも例外ではなく、個人需要に目を向けた商品開発にも力を入れていかなければならない。オフィス文具メーカーのキングジムにとって、販路拡大の起爆剤になるのか。小さなキングミニシリーズの、大きな挑戦が始まる。
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