そうなると、発注する事業者側としては、仕入れ額の10%の負担は敬遠する方向となるのは間違いないだろう。それによって突然取引を打ち切られることは少ないだろうが、少なくとも、この消費税相当分に関しては、コストダウンの要請があるはずだ。
とはいえ、それなら課税事業者になることにすればいいかというと、簡単ではない。
まず、クラウドサービスなどを活用した、経理システムが必要となる。高機能なものは必要ないとしても、手書きやエクセルでは経理業務に手間がかかって仕方がない。申告時の書類作成は業務に支障が出るのは明らかだ。
またこれが最も大きいが、消費税の納税義務が発生する。仕入れ額との相殺にはなるが、ほとんど仕入れのない、クリエイティブ関係やコンサルタント、士業などの人は、売上のほとんどが利益となるため、負担消費税は売上の10%にひたすら近い。
フリーランスの人でも、すでに課税事業者として消費税を納税している人は登録を行えば、これまでどおりにビジネスを継続できる。
問題は、免税事業者だ。免税事業者は、自身のビジネスにとって、そのままがいいのか、課税事業者になるのがいいのかを決めなければならないのだが、企業向けに継続してビジネスを行いたい場合は、課税事業者になることを決断しなければならないだろう。
消費税の扱いで顧客企業との間で問題化することは避けたいし、そもそも「課税事業者」であることの証明は、ブランディングにも、ビジネス上の信頼にも必要なことだ。
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