“絶滅危惧種”と呼ばれた「ドムドムバーガー」は、なぜ蘇ったのかスピン経済の歩き方(2/6 ページ)

» 2022年07月26日 09時30分 公開
[窪田順生ITmedia]

インパクト大の商品で話題をかっさらう

 この原動力になっているのが、マックやモスという全国チェーンではなかなかお目にかからない「攻めたハンバーガー」だ。

 ソフトシェルクラブを一匹まるまる挟んだ「丸ごと!!カニバーガー」や、巨大なカレイフライを挟んだ「丸ごと!!カレイバーガー」を発売すると、SNSでも「映える」と大きな話題になった。現在も、台湾屋台で人気の「ジーパイ」という巨大な鶏の唐揚げを挟んだ「ジーパイバーガー」や、「ゴーヤーチャンプルバーガー」という独特な商品で勝負している。

 このように「挟めるものはなんでも挟んでしまおう」という攻めた戦略というか「遊び心」が、ドムドムの黄金時代を知らないような若い世代の心をつかんで、熱烈な「ファン」を増やしているのだ。

 それがうかがえるのが、ロゴマークの象である「どむぞうくん」をあしらったオフィシャルグッズの売れ行きの好調さだ。昨年夏、全国のロフト58店舗でドムドムグッズのポップアップストアを開催したところ、大盛況で中にはあっという間に売り切れた商品もあった。この人気を受けて、今年5月にはドムドム公式の「FANBOOK」が宝島社から発売された。

ロゴマークの象である「どむぞうくん」が人気

 このような話を聞くと、「うらやましい! ウチもぜひやり方を学びたい」と感じる外食チェーンの方も多いことだろうが、実はドムドムの「再生」が最も参考になるであろう人々は別にいる。

 それは「老舗企業」だ。

 ご存じのように今、日本全国で老舗企業の倒産が相次いでいる。例えば、大阪土産「栗おこし」で知られる「戎大黒本舗」が今月20日に事業停止をして、自己破産の準備に入った。1927年創業の老舗だ。

 また、今月21日には、1850年創業で群馬県内最古参とされるこんにゃく製造業者「丸大オヲツヤ商店」が破産手続き開始決定を受けていたというニュースがあった。

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