売上5倍! 経営難に陥っていたキャンプ場を、どうやって再生させたのか水曜インタビュー劇場(復活公演)(1/6 ページ)

» 2019年07月24日 07時02分 公開
[土肥義則ITmedia]

 「ドイさん、オススメのキャンプ場を知っていますか?」――。ここ数年、こうした質問をされる機会が増えてきた。記者はキャンプに詳しくなく、専門家でもない。初心者向けのバーベキューセットは持っているものの、テントや寝袋などは買ったことがない。そんな人間なのに、である。

 ひょっとしたらキャンプを楽しむ人が増えているのではないか。そんな疑問がわいてきたので、ちょっと調べたところ、いまは「第二次ブーム」らしい。1990年代半ばにブームがあって、そのころは親子連れで楽しむケースが多かったが、いまは違う。手ぶらで豪華なテントに泊まったり、1人でキャンプ場に行ったり、さまざまな楽しみ方が登場しているそうだ。

小黒川渓谷キャンプ場。ティピーでのグランピングも人気

 市場もどんどん拡大していて、アウトドアの市場規模は4274億円で、特にキャンプやハイキングなどが、全体の半分以上を占めている(矢野経済研究所調べ)。また、オートキャンプに参加している人も年々増えている、といったデータがあるなかで、ちょっと気になることも。市場が成長する一方で、キャンプ場の4分の1は赤字と言われているのだ。

いなかの風キャンプ場

 厳しい経営環境が続いているなかで、2つの施設を再生させた会社がある。「クロスプロジェクトグループ」(本社:長野県)だ。長野県にある「いなかの風キャンプ場」と「小黒川渓谷キャンプ場」は経営難で苦しんでいたが、同社が2011年に運営を始めると、あれよあれよという間に再生したのだ。売り上げを見ると、いなかの風は5倍に、小黒川渓谷は2倍に。

 多くのキャンプ場が経営不振に陥っているのに、2つの施設はどのようにして生まれ変わったのか。クロスプロジェクトグループの鷲尾晋専務取締役に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.