土肥: このほかに、何かオペレーションを変えましたか?
鷲尾: 以前は、お客さんに「ゴミを持って帰ってください」とお願いしていましたが、それをやめました。「ゴミは置いていってくださいね」と。
土肥: 先ほどの話と逆のことをやっていませんか? お客さんがゴミを置いていけば、スタッフはそれを捨てなければいけません。そうすると、仕事量が増えてしまう。
鷲尾: いえ、実はそうでもないんですよね。お客さんは何を求めてキャンプ場にやって来るのか。多くの人は自然に触れ合えることを楽しみにしている。地元に住んでいる人たちは山や川を見ても、何かを感じることは少ないですが、都会からやって来られた人は「うわっ、きれいだね」と感じる。
このように感じることはとても大切だと思うのですが、キャンプ場にゴミが落ちていればどのように感じるでしょうか。あまりいい気分にならないですよね。というわけで、お客さんには美化活動に協力してもらうことにしました。
土肥: 「ゴミは持ち帰らなくてもいいですよ。その代わり、ゴミはきちんと捨ててくださいね」ということですか?
鷲尾: はい。何度か利用したことがあるお客さんからすれば、「変わったな」「前はこんなんじゃなかった」と思われるかもしれませんが、ゴミを持ち帰らなくてもいいですよ、キャンプ場はキレイに使ってくださいねといったルールを決めたことによって、新しいお客さんが増えていきました。
いま「ルールを決めた」と言いましたが、このことはものすごく大切なんですよね。キャンプ場を運営するにあたって、全国のキャンプ場を見て回りましたが、ルールをきちんと決めているところは、うまく回っているところが多い。逆に、ルールがあいまいなところは、うまく回っていないところが多い。
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