行列ができた「ワークマンプラス」、その後どうなったのか?水曜インタビュー劇場(旋風公演)(1/6 ページ)

» 2019年06月12日 08時03分 公開
[土肥義則ITmedia]

 作業着大手「ワークマン」の快進撃が止まらない。

 2018年9月、カジュアルウェアの新業態「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」をららぽーと立川立飛にオープンしたところ、レジに行列ができ、入場制限をかけることに。「服を買うだけなのに、入場制限? ワーワー騒いでいるのは最初だけでしょ。その後はどうなったの?」と思われたかもしれない。一号店と同じように新店でも、商品を購入するためにレジに行列ができたり、駐車場にクルマを停めるために渋滞が起きたりした。

 ワークマンプラスに行ったことがない、見たこともない、聞いたこともないという人に、簡単に紹介しよう。ワークマンは「職人の店」をうたっていて、建設現場などで働く人たち向けの商品を扱っている。一方のプラスは、アウトドアやレインウェアなどの専門店(作業服などを扱っている店もある)で、一般の人でも入りやすいムードが漂っている。

2018年に登場した「ワークマンプラス」が急増している。写真は川崎中野島店

 このように書くと、「ワークマンとプラスは同じ会社が運営しているけれども、違う商品を扱っているのね」と思われたかもしれないが、プラスで扱っている商品はワークマンでも販売している。つまり、“見せ方を変えただけ”で、日本列島に旋風を巻き起こしているのだ。

 会社の決算をみると、「好調」である。2019年3月期のチェーン全店売上高は前期比16.7%増の930億3900万円で、営業利益・経常利益・純利益もすべて20%を上回った。ワークマンプラスの売上高も「計画比の2〜3倍で推移していて、今後の新規出店はすべて『ワークマンプラス』にする」(担当者)という。

 社名が「ワークマンプラス」になってしまいそうなほどスピード感のある決断だが、本当に大丈夫なのか。繰り返しになるが、新業態をオープンしてまだ1年も経っていないのである。なんとなくノリで決めましたではなく、「ウチはこれでやっていける!」といった何かをつかんでいるはず。その何かを知るために、同社で常務取締役を務めている土屋哲雄さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

ワークマンプラスの商品は低価格と高機能をウリにしている
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