賢い経営者は、「DX」という言葉に躍らされてはいない想像通りの結果に(3/4 ページ)

» 2022年08月09日 08時04分 公開
[INSIGHT NOW! 編集部INSIGHT NOW!]

 ところが、具体的に何をすればDXなのかというと、取組内容をみても、「ホームページの作成」「営業活動・会議のオンライン化」「顧客管理データの一元管理」が上位となっており、DXに向けたIT化・デジタル化の途上といった状況が伺える。

 なのだそうだ。

 さすがにこれには、答えた中小企業の経営者も苦笑したに違いない。複数回答とあるので、用意された選択式の質問なのだが、調査するほうが、すでに、こうした項目がDXだと思っているとしか思えない質問だ。デジタルツールの使い方が大半で、これらの項目を実施すれば、「顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革」が実現するのだろうか。

 そして、DXに期待する成果・効果も聞いているのだが、ここでも上位は「業務の効率化」と「コストの削減」だ。定義と合っていない。

 要するに、DX(データ活用とデジタル化)から、イノベーションが生まれることに、中小企業の経営者は期待していない。

 とはいえ、テクノロジーの進歩は、日進月歩だ。

 今後の成長を考えたときに、前述した「具体的な取り組み内容」に挙がっている内容・手段もあるかもしれないが、これまででは考えられなかったコストで活用できたり、グローバルでも活用できるクラウドサービスの数は数年前とは比べものにならないだろう。

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