メルカリは8月8日、2022年6月期の連結決算を発表した。売上高は1470億円(前年比39%増)、営業損益は37億円の赤字(同52億円の黒字)、最終損失は75億円の赤字(同57億円の黒字)だった。18年に株式上場をして以来、初の黒字決算だった前期から再びの逆戻りだ。
なお6月7日には、これまでの東証マザーズを引き継いだグロース市場から、東証プライム市場に移行した。
(出所:メルカリWebページ)
(出所:筆者)
メルカリは国内最大のフリーマーケット「メルカリ」、米国での「メルカリUS」、スマホ決済の「メルペイ」という3つの柱で事業を行っている。国内の「メルカリ」は順調な取引額の伸びだが、「メルカリUS」の宣伝費がかさんだのと取引額の伸び悩みが足を引っ張った。「メルペイ」は、ようやく収益基盤が確立できた状況だ。
「メルカリ」のクレジットカード不正利用、「メルペイ」のフィッシングによる悪影響で11億円の費用がかさんだ。
創業者かつCEOの山田進太郎氏は、18年に株式上場した当初から「中長期成長」という軸で事業展開してきた。今回の通期決算説明資料でも、22年6月期決算の総括より先に「中長期の方針」を掲げている。
新しい事業のEコマースプラットフォーム「メルカリShops」を手がける「ソウゾウ」や、仮想通貨・ブロックチェーン関連サービスの企画・開発をする「メルコイン」などの種まきから、新しい芽吹きが出てくるだろう。
- ビジョンファンドの累計損益はほぼゼロに 守りに入るソフトバンクG
ソフトバンクグループ(以下、SBG)が8月8日に発表した2023年3月期第1四半期の連結決算は、2四半期連続の最終赤字となった。直前期の2.1兆円の赤字に続き、今四半期は過去最大の3.2兆円の赤字だった。主事業であるビジョンファンド投資事業の累計損益は、昨年度つけた7兆945億円をピークに、17年度スタートの1000億円ほどの水準に戻った。人員削減・新規事業の絞り込みといった守りの戦略を継続する。
- 富山発祥のゴールドウイン 稼ぎ頭は「ザ・ノース・フェイス」
ゴールドウインは8月5日、2023年3月期第1四半期の連結決算を発表した。原材料高、物流コスト上昇等の減益要因を増収効果等で吸収し、第1四半期決算として売上、利益ともに過去最高を更新した。
- 東大発バイオベンチャー上場会社テラ 破産手続き開始
東大発バイオベンチャー上場会社テラ(2191東証スタンダード市場)は8月5日、同社の取締役会において、破産手続開始の申立てを行うことを決議し、東京地方裁判所に申立てを行い、同裁判所より同日、破産手続開始が決定された。上場企業の倒産はNuts(ジャスダック、20年9月破産)以来、1年11カ月ぶりとなる。
- カルビー、ポテチ販促抑制の長期化響く スナック菓子の本格値上げも
今秋、スナック菓子の本格値上げに踏みきるカルビーは8月2日、2023年3月期第1四半期の連結決算を発表した。増収減益の内容だが、売上高・利益ともに会社の期初計画は達成された。
- 100均を貫けるか セリア勝負の年
セリアは7月29日、2023年3月期第1四半期の決算(非連結)を発表した。巣ごもり反動、人手不足、円安、原材料高、業界の寡占化という環境下で、増収(微増)減益だった。業界内では脱100均の動きは強まるだろうが、セリアは「おしゃれ」「オリジナリティ」で商品開発を進める。100均を貫けるか、セリアにとって勝負の1年だ。
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