「私は今までスポーツに何度も助けられてきました。社長になってから13年平穏無事と思える時は一度も私には訪れませんでした。しかし、そんな中で私を元気づけてくれていたのがアスリートたちです。TOYOTAの6文字を背負って戦うアスリートたちは競技を続けられる感謝の気持ちを常に表しながら『絶対に勝つ!』『トヨタは負けない』という気持ちをむき出しにして、いかなる苦境に立たされても最後の最後まで諦めずに戦ってくれました。
諦めずに戦うアスリートたちを見るたびに『自分も諦めずに頑張ろう』と思うことができました。トヨタはこうしてスポーツに助けられ幾多の苦難を乗り越えてこれたといっても過言ではありません。ですから、どうしたらスポーツに恩返しができるのか? 私は、そんな気持ちを常に忘れないようにしてきました。トヨタがパラリンピックのサポートをはじめたのもそんな気持ちがあったからでした。
2015年よりIPCのパートナーとなりパラアスリートをサポートするプログラムもスタートしました。昨年、パラリンピックが開催された際、そのプログラムを活用して競技を継続してきたパラアスリートたちから感謝のメッセージをいただき、私は、またアスリートたちから勇気づけられることになりました。スポーツには人を勇気づける力があるのだと思います。そしてパラアスリート達の声を聞くと『人の可能性を広げていくスポーツの偉大な力』にあらためて気付かされます。
今回の新たなアリーナの計画には私どもの二つの想いを込めました。一つは、『スポーツ/アスリートへの感謝』です。そしてもう一つは『可能性へ挑戦する人をサポートし続けたい』という想いです。
このアリーナは、トヨタのバスケットボールチーム『アルバルク東京』の新しいホームでもありますが、さまざまな競技の聖地になっていって欲しいと考えています。パラスポーツや、競技人口が少なかったり、知名度が低くまだまだファンやサポーターが少ない競技などの力にもなっていければと思っています。今まで見たことのないアスリートたちの戦いを間近で見れるようになったり、人類が今までは到達しえなかった記録を破り新たな可能性を拓いていく、そんなことが実現できたら私自身も含め多くの人が勇気づけられ笑顔になれるのではと信じています。
本日よりこの『TOKYO A-ARENA PROJECT』を進めてまいりますが、われわれの持つ想いに共感いただける方々に今後、多く出会えたら、と願っております。多くの皆さまと想いを共にしながら、『可能性を広げるアスリートたちの聖地』を目指したいと考えております。みなさま、よろしくお願いいたします」
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