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外資系企業で結果を出す人が重要視する“超実践的スキル”外資系1年目の教科書(1/4 ページ)

» 2022年09月05日 06時00分 公開
[山口畝誉ITmedia]
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本記事は、書籍『外資系1年目の教科書(著・山口畝誉、総合法令出版)』の中から一部抜粋し、転載したものです。

 本書では、私、山口畝誉が、グローバルIT業界で培ってきたこと、さらにキャリアのエキスパート、ビジネスコーチとしての経験を通して学んできたことをまとめました。「VUCA(ブーカ:Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)時代」にどこでも活躍できる、どのような状況下でも生き残れる、“身に付けておくべき超実践的なスキル”を「外資系1年目の教科書」と銘打ってご紹介します。

多様性に対応する「コミュニケーションスキル」

 真っ先に身に付けておきたいスキルとは、間違いなくコミュニケーションスキルです。特に、近年求められている“多様性の中で生きてくる”という点が重要です。

 ちなみに、多様性とは性別や年齢、国籍などが多岐にわたるとともに、さまざまな価値観やライフスタイルなどが受け入れられ、共存している状態です。

 コミュニケーションスキルと言えば、「読む」「書く」「話す」「聞く」の4つのスキルです。

 そして、意外に思われる方もいるかもしれませんが、この中でも多様性において最も重要なスキルは聞くスキル、つまり「傾聴力」です。

外資系 VUCAとはさまざまな要素が絡み合うことで明確な解決策や戦略を断言できない状況のこと(画像提供:ゲッティイメージズ)

傾聴力

 ただ「聞く」のではなく、「聴く」こと。「hear」に対して「listen」です。「聞く」は流しながら受動的に耳に入ってくるようなイメージです。それに対して「聴く」とは、能動的な状態。つまり、耳と目と心を傾けて相手の話を聞くことなのです。

 「外資系では自己主張しなければならないから、話すことが最重要なのでは」と思われるかもしれません。もちろん、意見を言わなければ存在しないものとみなされる世界なので、「話す」ことは重要です。しかし実は、それ以上に「聴く」ことが大事なのです。

 巷(ちまた)にはコミュニケーションに関する本が溢(あふ)れています。とりわけ伝え方、話し方の本はとても人気があり、それと同時に、多くの人が話すことに対して苦手意識や課題意識を持っているのが見て取れます。

外資系 「聞く」ではなく「聴く」(画像提供:ゲッティイメージズ)

 さらに、最近では「共感力」の大切さについても頻繁に取り上げられています。前述したように、AIなどテクノロジーの発展により近い将来多くの仕事がAIに奪われると言われる中、人間にしかできな仕事のひとつが、感情の領域と言われているためです。

 すなわち共感する力には、人の表情や態度、目の焦点や呼吸、姿勢を含めてわずかな変化に気付く力、観察する力が必要です。それを培うためには、まず人の話を丁寧に聴きましょう。相手の感情に共感しながら聴くことが大切です。

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