ANYCOLOR、時価総額が日テレ・TBSを超えて3100億円へ……ナゼVTuberはここまで評価される?古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/4 ページ)

» 2022年09月23日 07時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

 VTuber事務所「にじさんじ」を運営するANYCOLOR(エニーカラー)の株価が上場から約2倍となり、時価総額は3100億円に達した。22日昼時点の時価総額は、TBSホールディングスが2766億円、日本テレビが3084億円だった。したがって、いちVTuber事務所が、日本に存在するすべての在京キー局を、時価総額の点で上回ったことになる。

ANYCOLORのWebページ

 上場当初から公募価格を大幅に上回る時価総額2000億円以上の水準で取引されていたことから、個人投資家からは「IPOの熱が冷めれば即座に株価は下落に転じる」という声も多く見られた。しかし、ANYCOLORはこのような観測に業績で答えを示した。

 2023年4月期第1四半期の売上高は、前年同期比113%増の59億円で、営業利益が前年同期比152%増の21億円といずれも3ケタ増となった。これを受けて同社の株価はついに1万円の大台を突破し、一時は上場時から2倍、公募価格1530円から8倍にまで急騰した。

 22年は、世界的なインフレや長引くコロナ禍によって業績や株価を落とす企業が相次いでいる。あのアルファベット(グーグル親会社)ですら今年は30%も株価を落としてしまっている状況だ。しかし、ことVtuber業界に至っては、そのような逆風もどこ吹く風かといわんばかりの成長を遂げているようだ。

 それでは、ANYCOLORがここまで業績を伸ばせた背景には何があるのだろうか。

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